染谷俊 314GIFT ~88のパレット~ (延期公演)

7/14(木) 東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
ライブレポート


7月14日晴れ。東京、夏の渋谷の街は平日にも関わらず、人々と熱気に溢れている。本日の会場となった「Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE」は、昨年3月にオープンしたばかりの新しいライブスペース。シアターのような、いつものライブとは大分違った雰囲気に、続々と来場する方々の表情も、なんだかいつもよりかしこまっているようだ。少しの緊張感がくすぐったくて、ワクワクしているように見える。



時刻は19:30を回り、定刻を迎え、いよいよ「314GIFT」がスタートした。
拍手と歓声の中登場した染谷は、今回の「314GIFT」のライブTシャツの上に黒のシンプルなジャケットを羽織り、黒の軍パンにブーツを合わせた、全身モノトーンのシックな服装。グランドピアノに座る姿は、単純に、格好いい。いつものパワフルでワンパクなステージとは違い、グッとアダルトでラグジュアリーな空気を漂わせている。

オープニングに演奏されたのは、弾き語りによる「ありがとう」。今日「314GIFT」がスタート出来たこと、それまでに携わった関係者の方々、そして何より今日会場へ足を運んでくれた客席の方々へ、感謝の気持ちとご挨拶を併せた一曲を披露。
『超気持ち良いですね。今日は色んな形で、たくさんの歌を聴いて貰いたいと思っています!』
会場から大きな拍手が沸き起こる中、弦楽器の皆さんがステージへ招かれる。今日一緒に「314GIFT」を彩って下さる、ヴァイオリン奏者の岩村聡弘さんと大須賀レイコさん、チェロ奏者の長南牧人さんの三名。このメンバーを迎えて演奏されたのは、「愛にあいたかった」。染谷の力強いピアノと歌声を、ストリングスの音色が優しく美しく、ビロードのように包み込む。

続く、勇気の歌「今夜勝ちにいこう」で、パーカッションを担当するハジさんこと、山口幸彦さん(ハックルベリーフィン)も加わる。ステージ上のそれぞれがプロの中でも第一線で活躍されている、実力を持った方々。どんどんと染谷の音楽に厚みと色が増していき、会場の心と耳がググッとステージへ引き寄せられていく。今日、ここでしか見られない本当に豪華な共演だ。

「Story」「同じ空を見てた」「マーガレット」と、染谷のデビュー当時から愛されてきた曲目が続く。オリジナルに大きくアレンジを加え、また新たな息を吹き込まれた曲もあり、懐かしさと新鮮さが共存しているステージ。昔からのファンにも、最近のファンにも嬉しい演出だ。

演奏中、正面スクリーンに過去の染谷の写真やCDジャケットの映像が映し出されていた。正直、デビュー当時の二十年近く前の写真と比べて、見た目があまり変わっていないどころか、むしろ若返っていることに驚きを覚える。映像の中の過去の染谷と、目の前のステージに居る現在の染谷。変わっていないのは、見た目だけでは無い。音楽に対する愛情、信条、情熱も、より強くなっているのではないだろうか。染谷の過去と現在を、音楽が結ぶ。その間に、本当に様々な出来事があったからこその今日だろう。この「314GIFT」の幕が開くまでも、様々な出来事が私達にはあった。



『「314GIFT」に関しては、通常のライブで歌わないものも含めて、自分が届けたい歌とか、一番始めはリクエストをとったりしていました。今年は「在処」っていうセルフカバーアルバムとか、「MUSIC LIFE」っていう、自分の血の中にあるクラシック音楽をもう一度振り返って作ったアルバムもあったので、もう一度自分の中で久しぶりに歌う曲とか、ライブ用にセルフアレンジして、良い意味で新しく息を吹き込んだ曲とかを、聴いて貰えたらいいなぁと思って今回の「314GIFT」を作っていたんですけど、大きな地震があって、延期になってしまっていました。』

『「314GIFT」の元々の意味が、何か恩返しだったり、メッセージを探していたところから始まったので、それが今日、四か月の月日を経て、このライブが出来る事を本当に嬉しく思います。メンバーの方々も、通常スケジュールが流れたりすると、中々もう一度集まる事は出来ないんですけど、皆さん7月14日を空けて下さって、今日またお会いできたことに感謝します。本当にありがとうございます。』

客席に向かって、染谷は深々とお辞儀をした。今日のこの会場も、現在の綺麗な内観からは想像がつかないが、地震の時には少なからず影響があったそうだ。それは確かに、私達みんなに起こった出来事。それを考えると、今日この日に「314GIFT」を迎えられたことが、本当に尊いことのように感じられた。

『大きなことがあったからこそ、越えていきたいなって。新しい自分を見つけたいと感じました。元々今日のセットリストには入って無かったんですけど、5月のツアーで書いた歌たちも、今日は聴いて貰いたいと思っています!』



ここで染谷の同志、佐藤ワタルさんが呼びこまれる。少しかしこまったライブの雰囲気を、二人のゆるりとしたトークがほぐしてくれる。先月ファイナルを迎えた「One For Allツアー」の直前、そしてツアー中に作られた、染谷の新しい曲達、「歌うたい」「SUNNY」「花びら」が演奏された。「花びら」の演奏中には、スクリーンに染谷の映像と、歌詞が映し出されていた。染谷の作った音楽、彼のピアノと歌声、ハジさんのパーカッション、ワタルさんのアコースティックギター。全ての音色が優しくて、あったかい。

ハジさん、ワタルさんが一旦退場し、ここから染谷のライブにはレアな、インストゥルメンタル曲が続く。歌詞の持つメッセージの強さが、大きな魅力の一つである染谷の音楽。なぜ敢えて、言葉の無いインストゥルメンタル曲を作りはじめたのだろうか。

『もともとはアメリカで911が起こった時に、言葉が無い音楽でも、想いは伝わるんじゃないかと思って
作曲を始めたのがきっかけでした。どこかの国で、子供たちがこの音楽を聴いた時に、幸せな気分になっても
らったり、どこかの街で、僕のことを知らない人が聴いて、懐かしい人を思い浮かべたり、大切だったものを思い浮かべたりして貰えたら、と思って作りました。』

まず始めは、アルバム「MUSIC LIFE」の一曲目に収録されている「手紙」。染谷の清流のようなピアノの音色を、ストリングスの奏でる森の深緑のような響きがそっと包み込む。どこまでも澄み切った音楽に、会場の空気も、魂も、浄化されていくように感じる。

続いては、「神楽坂 茶寮」という和カフェとのコラボレーションアルバム「saryo’s collectionvol.6 Shun Someya Plays」に収録されている、「相思草小夜曲」(作曲当初は、「月の花」と名付けていたらしい)。「神楽坂 茶寮」を、染谷は「密会場所…?(笑)」と独特な表現をしていたが、その言葉とタイトル通り、思い合う男女が、月の綺麗な夜に逢瀬を重ねている美しい情景が目に浮かぶ。切なく艶やかで、綺麗な音色だ。スクリーンには、染谷の映像を担当してる荻窪男(オギクボマン)さんによる映像が流れていた。「涙」「蒼」「風」…と、曲から連想された言葉が、浮かんでは消える。文字と映像によって、染谷のピアノの世界観に、より奥行きをもたせてくれる、幻想的な演出だ。

インストゥルメンタルの最後を飾るのは、これも「MUSIC LIFE」の収録曲「ラストキャンドル」。キャンドルの灯火のように、ささやかであたたかな音色が心地よい。染谷のピアノの音色はどれも優しく、寄り添うように響く音色だが、水のようだったり、月光のようだったり、灯火のようだったりして、その色彩は本当に様々だ。パワーとメッセージのこもったロックで暴れる染谷のステージにも毎回圧倒されてしまうが、しっとりと聴かせるインストゥルメンタル曲においても、その表現力の豊かさには、ため息が漏れてしまう。

今回のライブのボリュームを考え、ここでブレイクタイムが挟まれる。休憩時間中、ホールには「崖っぷちの少年」が流れ、スクリーンには染谷の写真や、手書きのノートの映像が写されている。会場に来てくれた方々に、隅々まで楽しんで貰いたい、という染谷や制作スタッフの思いを感じて、嬉しい配慮だなぁと思う。でも、こんな映像が流れていたら、お手洗いに立つのが少しもったいない気も・・・。

さて、今回の公演時間前に、今日ステージを共にしたミュージシャンの方々にインタビューをさせて頂いた。ここでその一部を紹介させて頂こうと思う。まず、染谷とはデビュー当時からのお付き合いをされている大須賀さんに、リハを終えての感触を伺うと――。

大須賀さん「染谷君の曲は良い曲ばかりなので、弾いてて凄く楽しいです。
ただ、譜面が行ったり来たりなので、大変ではありますね。そこだけ、心配です。
凄く緊張していますが、あとは集中力で、本番頑張ります!」

続いて、言わずと知れた染谷の相棒、ワタルさんにリハでの染谷の様子を伺ってみた。

ワタルさん「いつも通りではあるんですけど、内容がかなり盛りだくさんだし、初めてセッションする方が
多いので、いつもより更に丁寧にリハをしていましたね。染谷さんがこういう事を
伝えたいんだろうなっていう気持ちを、今日のリハで掴めたように感じたので、
本番はうまくいくんじゃないかなと思っています。」

お二人の感触の通り、ここまで本当に素晴らしく、楽しいライブとなっている。岩村さんと長南さん、そしてハジさんは今回の「314GIFT」が、染谷との初めての共演。この三名に染谷の第一印象を伺うと――。

長南さん「パッと見て、かっけーなと。同じ世代とは思えない。洋服も若々しくてお洒落だし。」
岩村さん「ハタチ代だと思いました。自分より十個以上は年下だと思っていたら、年上だったんですよ。
ビックリですよ。ショックでしたよ。」
ハジさん「若っ」

みなさん、やはり染谷の見た目にも滲み出るエネルギーに驚かれたようだ。
更に、同じミュージシャンとしての印象を伺ってみた。

長南さん「やっぱり、エネルギーっていうかパワーっていうか、そういうのを凄く感じる。
見た感じと音楽的なパッションが一致しているから、あぁなるほどなって思いました。
一緒にやっていても、それに引っ張られる感じがしますよね。」
ハジさん「凄く歌詞に説得力があって、歌も凄く歌いあげるし…自分はパーカッションのプレイヤーとして、
その歌にあおられるんです。それで、どんどん力が入っていったっていうのはありました。」
岩村さん「あそこまで細かくキチンと弾ける人っていないと思う。普通ああいう弾き語りだと演奏がおざなりに
なったりするんですけどね。モニター(※1)で、音を返してもらう時も、普段はピアノって下げて貰うんですけど、あそこまで細かい音をしっかり出してるから、逆に上げ目にしてもらって、
引っ張って貰いましたね。」
(※1モニター…ミュージシャンが、自分が演奏しやすいように調整された音を、足元に設置された
スピーカーから流すシステム)

私のような素人耳では染谷の演奏に対して、単純に「凄い」という理解しか出来ない。しかし、確かな技術を持ったプロの方々から見ても、経験に基づいた地盤と、卓越したテクニックに裏打ちされた染谷のステージは、やはり唯一無二のものだということを、インタビューを通して知る事が出来た。一染谷ファンとして、なんだか鼻高々になってしまうような、たくさんの嬉しいコメントを、皆さん本当にありがとうございました!

さて、贅沢なブレイクタイムが終わり、「TALK THE ROOTS」が始まる。これは、デビュー前から染谷のルーツに大きな影響を与えた、漫画家の上條淳士さんとのトークコーナーだ。染谷が音楽を志す要因の一つとなった、上條さんの作品「TO-Y」についての思い入れや、デビューアルバム「愛にあいたかった」の宣伝材料に寄せて頂いた上條さんのコメントにまつわるエピソード、そしてそれから十数年の期間を経ての初対面と、「THE ROOTS
シリーズのジャケットを手掛けられた際の制作背景などを語った。ステージで上條さんの隣に居る染谷は、まさに上條さんが表現した通りの「少年」のように、緊張しつつも目をキラキラさせていて、なんだか可愛らしさすら感じてしまう。普段のライブでは、ちょっと見られない表情だ。音楽と漫画。それぞれ全く異なるフィールドでありながら、今回のようにコラボレーションすることで、より素晴らしい作品を作り上げられるのは、アーティストの持つ才能の特権であろう。これからも、また色々な形で二人が共演するのが楽しみとなった対談だった。



続いて、今回の「314GIFT」の新たな試みの一つとして作られた、ミュージックビデオの上映が始まる。
2011年2月21日に名古屋Bottom Lineで行われたライブの模様を、オーディエンスそれぞれがカメラマンとして撮影し、それを繋いで一つのライブビデオを作る、というもの。ライブハウスにビデオカメラの持ち込みを許可するというのは、ミュージシャンとして異例のことであるが、そんな所にも染谷の新たな挑戦の姿勢を感じられる。当たり前の決まりごとをぶち破って、より良い方向へと帆を向けていく染谷の姿勢は、いつでも私達にときめきを湧き起こしてくれる。
曲は、染谷のライブでも特に熱い盛り上がりを見せる「応援歌」。客席から見上げる視点、後ろの方から眺める視点。みんなの色々な視点が融合された映像は、普段誰も、絶対に見られない特別なものだ。お決まりの「もう一回!」の後に客席へ染谷が飛び込んでくると、染谷も観客も、ビデオの視点ももみくちゃ状態である。拳を突き上げて、汗だくになって、みんな笑顔でぐっちゃぐちゃにキラキラしている。見ているだけで心がうずうずしてきて、自分もスクリーンの中へ飛び込みたくなってくるような臨場感だ。ビデオの終わりには、エンドロールに撮影者の名前が流れる。自分も一緒に、染谷の作品に参加したことを実感させてくれる。これも本当に嬉しい贈りものだ。

ライブビデオが終わり、再び染谷がステージに登場する。次いで、これも新たな挑戦の一つである、お芝居の始まりだ。劇の内容に合わせて、染谷が即興でピアノを当てていく。主演・脚本を務めるのは、松山樹香さん。染谷の楽曲「愛歌」にインスパイアされ、この脚本を書き上げたそうだ。オープニングテーマのように、そっと「うらら」が流れ始める。これから始まるストーリーを予兆させるような、眩しい朝陽のようにやわらかで、でも少し悲しい歌。
「会葉(かいば)

この作品は、主人公の女性《りん》が、恋人《リュウ》の死に直面し、絶望の淵に立たされつつも、それを通して、自分が何をしたいのか、どういう風に生きていくのかを、もがきながら見つけていく物語だ。りんの心に合わせて、染谷のピアノは弾んだり沈んだり、色とりどりに音色を変えて、物語に彩りを加えていく。物語中盤、絶望の中に居るりんの葛藤を表現したバレエに、慰めるように染谷のピアノの音色が寄り添う情景が美しく、哀しさがひしひしと伝わってきて、胸が締め付けられた。自分自身を乗り越え、希望が哀しみを包み込む中で物語が終わり、舞台が暗転すると、エンディングテーマとして「愛歌」がそっと流れ始める。物語が、りんのリュウに対する想いならば、本編には一度も登場しないリュウの持つ想いは、染谷の「うらら」と「愛歌」によって表現されていたように思う。お互いを大切にして、愛し合いながらも、何もしてあげられない哀しさや切なさ。でも、それを踏まえた上で生きていく人間の強さや、希望の素晴らしさを、お芝居と音楽が合わさることで、見事に表現されていた。

トークコーナーから始まり、映画館風のシーンを作りだし、お芝居の舞台となったステージも、メンバーが再び呼びこまれ、ここからまたライブステージへと転換していく。ライブの後半戦一発目に演奏されたのは「ボクラのチカラ」。やはり染谷はロックンロールピアニストだ。熱い演奏に会場の空気もガラリと転換し、一気にテンションが上がっていく。ストリングスも加わって続くのは、「ロックンロールセレナーデ」「ヒーロー」。やはり、染谷の音楽とストリングスの相性は抜群だ。互いが互いの音色を引き立たせ合いながら、更なる高みへと押し上げていく。それを支えるハジさんのリズムが安心感を与えてくれ、ワタルさんのギターも彩りを添える。やっぱりバンドって、ライブって凄い!楽しい!自然と笑顔がこぼれてしまう。
「きみが僕にくれたこと」では、オリジナルより更にストリングスの美しさを際立たせたアレンジが加えられた、バラード調の演奏。この曲目をもって、今日一緒にステージを彩ったメンバーとはお別れとなり、染谷の紹介と挨拶の中、幕へと下がった。始まりの時のように、ステージ上には染谷とピアノだけが居る。

『元々、今回の「314GIFT」には選曲として入っていなかったんですけど…。新しい出来事も起きて、自分の
中でも感じることがいっぱいあって、生きていくということや、今まで出会った、自分の歌を聴いてくれた人達ことを、もう一度深く考えたこともあって。今日の最後は、「メッセージ
という歌を歌いたいと思います。』

弾き語りで演奏された、真っ直ぐすぎるほどの染谷からの「メッセージ」。混じり気の無い心からのメッセージを歌う染谷の声は、会場に居る一人一人の心に、その言葉一つ一つを確かに届けた。

みんなに喜んで欲しくて、一つ一つに心を込めて選んで、大切に、大切に包んで用意していた「314GIFT」。
でも、その前に311が起きてしまって、贈り物を贈る事、なにより贈りたい相手がいることが、当たり前のことじゃないことを、痛い程に知った。染谷も、それは同じである。
自分には何が出来るのだろう?何を贈れるだろう?
みんなが、今回のことで深く考えたはずだ。染谷にとってそれは紛れもなく、彼の音楽だったのだと思う。
音楽は財産だと、染谷は言った。積み重ねてきたもの。心を込めてきたもの。人と繋がる絆そのもの。
そうして、みんなに贈るGIFTを、また彼は心を込めて、包みなおした。
始めのGIFTとは、色も形も少し変わっていたけれど、込められた想いは、よりいっそ深く、強くなったはずである。今日のライブを聴いていて、強くそれを感じた。



アンコールで歌われたのは、新曲の「手紙」。オーディエンスのみんなと、染谷の間にある心のやり取りを歌った一曲。長時間に及ぶ今日のライブだったが、最後まで染谷は全力で、振り絞るように歌いきった。最後にこの曲を選んだ染谷の、みんなに対する愛を強く、強く感じる幕切れとなった。

贈り物で大切なのは、中身では無い。誰かに喜んでほしいと思う気持ち。贈りたい相手がいることの素敵さ。それだけでも十分なのだけれど、今日のライブの中身は、その心がギフトボックスから溢れるくらいのボリュームだった。
昔から大事にしている音楽。生まれたての、これからみんなで育てていく音楽。
染谷の原点であるピアノへの愛情を感じる、インストゥルメンタルナンバー。
ルーツを語った、上條さんとのトーク。
みんなの熱気が閉じ込められた、みんなで作ったミュージックビデオ。
音楽に込められた想いから、新しい想いを生んだお芝居。

今回の「314GIFT」には、「~88のパレット~」というサブタイトルが付けられていた。88とは、鍵盤の数。染谷のピアノから奏でられる音の一つ一つが、色とりどりな想いを生んだ。加えて、ストリングスやパーカッションやギターの音色、トークやミュージックビデオやお芝居、それぞれにまた異なるカラーがあって、染谷の持つパレットの色と混ざりあい、また新しい色を生みだしていく。

今日染谷が私達に見せてくれた、カラフルな「314GIFT」。切ない色、楽しい色、嬉しい色。本当に様々な色彩の一つ一つに、ぎゅっと想いを閉じ込めて贈ってくれた。そして、それを受け取ったオーディエンスの方々のパレットによって、今日生まれた色彩は、混ざり合いながら、また無限に広がっていくのだ。

音楽という色の持つチカラ、可能性を伝えてくれた今回の「314GIFT 2011 ~88のパレット~」。楽しみにしていた時間が長かった分、受け取った時の喜びも大きかったように思う。次回は、どんなGIFTをくれるのだろうか?既に今から楽しみにしてしまう。今回以上のものを期待するのは、少しワガママかな…と思いつつ、今日受け取った、明日からを更に彩ってくれるであろう染谷がくれたGIFTを、大切に胸にしまっておくことにした。



1.ありがとう
2.愛にあいたかった
3.今夜勝ちにいこう
4.Story
5.同じ空を見てた
6.マーガレット
7.歌うたい (新曲)
8.SUNNY (新曲)
9.花びら(新曲)
10.手紙 (inst)
11.相思草小夜曲 (inst)
12.ラストキャンドル (inst)
【TALK THE ROOTS:漫画家 上條淳士さん】
【ミュージックビデオ上映:『応援歌』】
13.うらら
【お芝居:「愛歌」から生まれたストーリー『会葉』】
14.愛歌
15.ボクラのチカラ (新曲)
16.ロックンロールセレナーデ
17.ヒーロー
18.きみが僕にくれたこと
19.メッセージ

EN01 手紙 (新曲)
文:小島双葉