水色の水平線に、
すごくクッキリとした虹が見えた、
そんな夢を見た。
なんか、とても、
それは絵のように綺麗だった。
それと、
もう、
夢の中のシチュエーションは覚えてないけど、
学生の時のピアノの先生、
学長先生が夢に出てきた。
途切れ途切れに眠りながらに見た中のひとつの夢だったから、
多分、
虹が見えた夢の時とは違う章で、
出てきたかと思う。
起きてから、
ひどく懐かしい気持ちになった。
そして、
なんで、今?学長出てくる?と思った。
「しっかりと鍵盤をつかんで弾きなさい。
芯まで音をとらえて、弾きなさい。
小手先で、弾こうとしない。
音をしっかりとつかんで、弾きなさい」
卒業間近だったかな、
ある日のレッスンで言われた言葉が、
今も、時々蘇る。
それほど、痛烈に・・・、
その言葉が、
あの時、胸にこたえたもんだ。
確かに、オレは小手先で弾こうとしていた・・
ある程度で、上手く弾こうとしていた・・
と、
自分のずるいところ、
その音楽に対してナメてたところを、
あの時、見抜かれ、
びしっと指摘されたように思った。
本当の意味での、
お叱りだったように思う。
今、あれから数十年が経って、
その先生の言葉は、
音楽に対してだけじゃなく、
人生についてや、
人に対してのことについても、
なんだか響いたりする。
「うわっつらじゃダメだ。芯まで、しっかりと」
という、その言葉の意味が、
なにか、全てに響いてきたりする。
寝坊した寝起き、そんなことを考えていた。
☆
お昼時に食べた朝ごはんは、
「ひさびさ白飯だ!」と、
映りの悪いキッチンのワンセグTVを観ながら、
豚汁を飲み、
白飯とキムチと”ごはんですよ”と納豆を食べた。
TVでは、片付けについての話しをしていた。
「旅から帰ってきて、すぐ、
僕は、そのカバンにつめてたものを、
全て、もとあった場所にあった場所にしまって、
そのカバンも、チャチャっと、もとあった場所に片付けます」
・・と、大谷さんっていう俳優さんが言っていて、
「えーー、すごい!」と、
それを囲むレギュラータレントさんが驚いて、
「いやいや、わかります!」と、
ローランドさんっていう人がうなづきながら、
「物には、それぞれ住所があるんです。
帰る場所があるんですよ」
・・というようなことをズバッと言っていた。
わぁ、なるほど。わかりやすいなぁ・・と感心した。
そのローランドさんのことを、前からTVで観たりしてて、
なんとも思わなかったけど・・逆に、やや、なんか好きにはなれんわ・・と
思っていたけど、
今日、その人が話してたいろんなことを聞いてて、
頭がいい人だなぁ・・品がある人だなぁ・・・と思った。
物にはそれぞれ帰る場所があるんですよ・・なんて言えるその人は、
誰かに良い教育を受けたか、
もしくは、自分でそういうことを感じて日々生きている人か、
もしくは、ふとした、そういった教えみたいなものを、
今でも覚えていてしっかりと生きてる人なんだろなぁと思った。
大谷さんもローランドさんも、
とても謙虚で、
ご飯を食べながらも、
その言葉たちはとっても心地よく頭の中に入ってきて、
ご飯を決してまずくさせなかった。
☆
午後になって、曲まとめをしようとピアノに向かった時、
昨日の、デザイナーさんとの話しがふいに蘇った。
クリスマス前に、お母さんを亡くされていたという話し。
そして、残されたお父さんの、それからの生活の話し。
そして迎えた、お正月での出来事の話し。
昨日の話を思い出しながら、
もうずいぶん前の、
大切な人を亡くした時の、あの仲間の姿を思い出していた。
そして、ピアノをポロポロと奏でてみた。
☆
一息ついた時、
また、夢で見た、学長のことと、
学長が自分に残してくれた言葉を思い出して、
無性にクラシックピアノの練習がしたくなって、
「いいんじゃん、ひさしぶり、運指の練習でもしよか」と、
ハノンと、ショパンのエチュードと、
ついでに、ベンフォールズ・ファイブの楽譜集を出してきて、
それらを見ながら、ピアノ練習をした。
メトロノームを聞きながらの運指の練習は、とても新鮮で、
これからも毎日しようと思った。
ショパンのエチュードからは、右手が凄まじく動く曲と、
左手が凄まじく上から下へと飛ぶ曲、
2曲を選んで、
それぞれ、その1ページずつを丹念に練習してみた。
懐かしいなぁ・・・なんて思いながら・・
「目をつぶって弾けるぐらいまで練習しなさい」と言われていた、
その頃のことを思い出して、
目をつぶって、左手練習をしたりした。
これはもう、
芸ですね。
でも、
それは、
必然的なことだったりもする。
そう、
目をつぶって弾けることが当たり前なのだ・・
ということを噛みしめながら、
まずは、とことん1ページを練習した。
これも、
これから、
続けていこうと思う。
ベンフォールズ・ファイブに関しては、運指というより、
リズム練習だ。
右手左手が交互にやってくるシンコペーションの嵐。
これも、練習していくに損はなし。
あっという間に時間がすぎた。
そりゃそうや。
それぞれに、1ページ30分以上の練習に取られるわけで、
あっという間に時間がすぎる。
☆
何がどうあれ、
夢でも、
現実的にふと見て気づくことにしろ、
それは、もしかしたら、
「・・で、それを見て、どうすんねん?これから」というようなことが
ついてくることがあるかもしれない。
まるで、神様さんのいたずらな、ふっかけのように、
「なんで、今?これ見た?・・なんで、今、これ、オレに見せた?」的に。
そんなこんなを考えながら、
今日は気づかされるものに動かされ、
土俵ひとつ、また、
新たに踏み始めたような日だった。
夕方、
本屋さんに、
ソクラテスについての児童書を買いに行った。
これもまた、
昨日ぐらいに読んだ本の中で、
哲学者ソクラテスについて書かれていたことがあって、
どうせなら、
もう少し、ソクラテスさんのことを知っておきたいなぁ・・・と、
本屋さんに行かされた、
そんな時間だった。