歌うために地下への階段でピアノを運び、
ステージで歌を歌い、
歌を聴いてくれたみんなに感謝と愛しさのおじぎをして、片づけのあと、
ライブハウスのマスターが出してくれた瓶ビールを飲みながら歌について語り、
星空が消えた雨が降る町を小走りして、
駐車場に停めた車の2列目の寝袋へともぐりこみ、眠る。
そして、
つながらない途切れ途切れの夢の続きに飽きて、明け方に目を覚ます。
目覚めた瞬間に、
ボクは、なにもんだろ。。なんて、
自分に皮肉にも問いかけ、
ボクはさ、
歌うたい、シンガーソングライターだぜと、
寝袋の中で呟き、
さぁ、今日も歌を書こう、歌を残そう、
歌を歌おうと起き出す。
雲の隙間の眠そうな半開きの太陽を見上げながら、車を走らせ、
広島にさっき着いた。
パソコンは相変わらず、ぶっこわれたまま。
iPhoneを片手に、小うどんを食べた。
気にいらない世界は、今も在る。
けれど、
たぶん、
愛しい世界が、
ボクには有り余るほど、
今、在る。
もう一度寝袋に入って、
銭湯にでも行って、
歌の続きをノートに綴り、
歌の場所へ。
ツアー。。。なうだ。
ボクはボクらしく、生きている。
あの日のボクに、
ボクは言う。