2013-08-29 Thu
朝は少し涼しくなってきた。
扉をあけると、あの、もわっとした空気ではなく、
少しだけひんやりとした感覚になる。
このまま夏は終わらないかもしれない・・なんて、
日々の暑さの中で僕らが苦笑していた季節はさよならも言わずに姿を消して、
何食わぬ顔で秋がその場に君臨するのだろうか。
年月は、僕らが思う以上に、たんたんともその凄いスピードで流れ続けているように思う。
何も語らずに黙々と止まることなく流れる河のように。

枕元のiPhoneのアラームで起こされ、そのまま、また二度寝をしようとする僕に、
第二弾目のアラームがオラオラとばかりに叫び出し、
なんとかかんとかベッドの上で正座をして、
今日は何曜日か、昨日はどんな日だったけ・・なんてことを巡らせながら、
しびれたカラダを引きずって水を飲む。
テリーさんが何かに向かって怒ってるテレビをぼんやり見ながら、
そうだ、今日も早く出ようと思ってたんだっけ・・とそのままシャワーを浴びて、
濡れたカラダもそこそこに拭いて、準備するものたちを鞄につめこみ、玄関を飛び出す。
車の中で覚えたてのメロディーを反芻して、暗譜の時間にする。
早出のアルバイトスタッフがコーヒーを運んだりコピーをしたりしているスタジオに着き、
暗譜したメロディーを鍵盤の上で何度も確認して、
そのまま昨日のリハーサルの音を聴きながら今日の音の準備をする。
あっと言う間に2時間ぐらいが過ぎて、スタジオには人が集まり出す。
そして、始まる、リハーサル。
時計の針は何回転もまわり、
気づけば、「今日」という日にまたたくさんの様々な破片が降り落ちて、
それらを整理したり、ノートに書きつけたりしながら片付けをする。
車を走らせば、街の明かりはほぼ眠りについている。
コンビニに立ち寄って缶ビールを一本だけ買って、部屋へと辿り着く。
シャワーを浴びて、買ってきたビールを口にしているうちに眠気がやってくる。
現実と夢の境目を行ったりきたりしているうちに、気づけばまた昨日と同じように
iPhoneのアラームが鳴る。あれ、今日は何曜日だっけ。そうだ、早く出ようと思ってたんだ・・
とシャワーを浴びる。
そんな毎日。
ふと空を見上げた時、ふと自分に問いかけた時、ふとトイレの中で便器を見たりしてる時、
この圧倒的な密度の濃い日々に向かって、自分自身に語りかけたりする。
「成長はぎりぎりの中から生まれるものなんだぜ。」
そんなふうに。
もっと上へ、もっとなりたい自分へ、もっと奏でたい音を求めて。



昨日は久しぶりに家での作業。
朝からネット検索したり、電話をかけたり、ホテル予約をしたり、メールをしたり・・
そして9月から始まる弾き語りツアーの行程表作成。
いつのまにか夕方になり、
ツアーグッズの打ち合せに街へ出た。
やることは果てしなくたくさんある。
充実は、何もなしでは生まれない。
かけがえない想い出も、この手をカラダを心を揺らさなければ刻めない。
考えること、笑うこと、悩むこと、努めること、動くこと、飲むこと、食べること、
歩くこと、急ぐこと、休むこと、出かけること、働くこと、やってみること・・
そのすべてが、自分の生きた証になって、かけがえないものとなっていく。

9月からのツアー行程を作成しながら、
参考に7月から8月まで続いたツアー行程のスケジュールノートをめくったりすると、
まざまざとそこに生きていた姿たちを思い出す。


自分ともう1人のスタッフだけで始まった20周年弾き語りツアー初日、大阪。
ライブハウスの前には何人かの方たちが僕の入りを出迎えてくれた。
「髪切ったんすよ〜」とか言いながら、
車からグッズの段ボールを運び、階段を何度も往復したっけ。
すぐに汗だくになったけれど、なんだか軽やかな気持ちでいっぱいだった。
あぁ、始まるんだなぁ、この手で、始めてくんだな、自分自身の新しい旅を・・・
そんな気持ちでいっぱいだった。
リハーサルの最中、胸にメロディーと言葉が溢れて、そこで歌を作ったっけ。
ちょうど1年前の、
「このままオレは流されていくんだろうか。いや、流されたくない。
変えていかなきゃ・・。けれど、また、独りになっていくんだろうなぁ」
そんな想いの中でぽつんと座っていた、けれど、心の中では熱い熱い血が流れていた、
その時の気持ちがこみあげて・・。
それらをわーわーとノートに書き綴って、曲にした。
会場にはたくさんの人達が集まってくれた。
今の気持ち、今しかないその時の気持ちをこめて、歌を歌った夜。

ひとつのライブを終えて、染み付いていたものたちを洗い流した後のような、
そんな気持ちでステージに立った岡山ライブ。
オレはオレ。上も下もなく、等身大のままのオレでしかないんだよな。
そんな、真っ裸でステージに立ってるような気持ちで歌った岡山ライブ。
静けさに満ちた何曲かの後、叩きつけるようにロックンロールを弾いて歌っていた時、
客席を見るとたくさんの笑顔が見えた。
それが、とても嬉しかったなぁ。
自分は自分のままで生きていいんだよなぁ・・なんてことをあの時思ったんだ。

広島ライブは、なんだか緊張した。
20年前の自分が、今の自分に逢いにきているように思えて・・
「熱く生きてるか?今なにを思って生きてるか?大切なものを大切にしているか?」
いろんな自分が、自分の中を過っていった。
変わらない自分。
変えられない自分。
それらを大切にしたいからこそ、育てていく自分。
人の目にはどう映るかはわからない。
けれど、確かに僕には譲れないものがあるんだ、
あの時から変わらずにあるんだ・・ということをたくさん思った広島の夜。
20年前の自分が、静かに今もこの街には生きている。
あの河っぺりに。あのホールの前に。あのラジオ局のロビーに。あの繁華街裏の広場に。
だから、僕はこの街を故郷のように思えるんだと思う。

山口ライブ。
ライブが始まる前、裏の階段に腰掛けて風に吹かれていた。
なんだか、ここにいることがとても不思議に感じたあの時間。
高校の頃の自分、この街に来て歌っている未来の自分の姿が想像したことがあったろうか・・
いや、ないよなぁ。
人生という大地の中、いろんな道が伸びていて、あっちへこっちへとその道を選びながら、
なんだかんだと僕は歩いてきて、出逢った人達、出逢った運命、手放した選択、さよならをした場所。
そんな中、今日、オレはこの街で歌っている。
すごいことだなぁ・・と、すごくすごく思った。
奇跡みたいだ・・と。
まるで、その漢字のごとくね。思いもしていなかった跡を、こうして今日刻んでるだなぁ・・なんて。
だから、ライブ本番も、客席で歌に耳を傾けてくれてる人達そのすべてに、
ここにこうして自分が生きている証拠みたいな想いを届けるように、歌った。
笑いも、涙も、汗も、つばも、そこに刻んだ。
打ち上げも楽しかった。
笑った。笑った。笑った。泣けてくるくらい楽しくて、笑った。

そういえば、
初めて全部の行程を自分で作成して挑んだ今回の喜の巻ツアー。
いっぱいの勉強をした。
例えば、それは、旅することって費用がかかるってこと。
泊まることも、移動することも、食事をすることも、そう。
すり減っていく物もあれば、壊れてしまう物も、補充しなければいけない物もある。
ガムテープとかね、ティッシュとかね、ガソリンとかね、セロハンテープとか・・
あたりまえのことだけれど、
今まではそれらを含みツアーを組み立ててくれたりした事務所やスタッフがいたから、
それらを細かく自分が把握をしたり調整したりすることはなかった。
けれど、2013年から始まった、独立という道。
今回は、すべて、自分の判断と決断と選択によって道が伸びていく。
そんな中で組み立てたツアー行程。
「うわ、こんなにお金かかるんだぁ」ってことがたくさんで(笑)、
自分の無知や非力さを目の当たりにもしたけれど、
毎日が勉強で、ツアーというもの自体の風景が変わった気がする。
全てが、歌うこと、ステージに立つこと、
ここで生きていくために・・に、結びついていた日々。

山口からは1人旅で、ダチに逢いに九州まで行った。
自分では度々は気づかないけれど、
やっぱりスタッフやライブステージを前に、気を張っている自分がいるのは確かで、
ダチと逢えたその時間は、とても心地良かった。
口紅を落とした自分。
いつも口紅はしてないけれど(笑)、
そんな気分な自分。
夕暮れ、コインランドリーで洗濯をしながら、その駐車場で風を感じた。
あぁ、旅をしてるんだなぁ・・なんて思って、
オレは人生、どう流れ流れて、今ここにいるんだろうなぁ・・なんて、
山口で考えたことの続きをまた考えたりした。
今回の旅は、その「流れてきた人生」の意味をたくさん考えたな・・と思う。

九州から京都へ。
車の中では、歌のことを考えたり、
「今回の旅がなかったら、一生この風景を見ることなんてなかったんだろうなぁ」
と、外の景色に想いを馳せたりしながら、半日以上アクセルを踏む時間を楽しんだっけ。

京都ライブ。
ライブの前に1時間ぐらいガードレールに座って街を眺めていたからだろうか。
その街の風に溶けていくような、そんな歌が歌いたくて、歌い出した。
そして、旅も長くなってきたからだろうか・・
いくつもの日々の中で出逢えたものたちや、すれ違ったものたちや、
いまだここに在るものたちや、もうなくなったものたちを心に過らせながら、歌った。
今はそばにはいないものたちでも、きっとどこかで見守ってくれてるんじゃないかなぁ・・
なんてことを思いながら。

京都から和歌山へ。
ここでは、やっちまいましたね。
スピード違反で捕まった(笑)。
今思えば、これも、喜の巻ツアーの想い出。
そして、和歌山イベントとライブ。
イベント、楽しかったなぁ。
呑み、浜辺での歌、花火・・。
本当に楽しかった。
そして次の日の浜辺沿いのカフェでのライブ。
今回のツアーではどこでも滝のような汗をかきながら歌ったけれど、
和歌山では死ぬんじゃないかなぐらいに汗をかいた。
何度も倒れるんじゃないかなと思った。
でも、そこでそれでも歌う自分の歌が、「本当」のように思えて、
心が爆爆した。
熱かった、暑かった。
炎のような時間だった。
皆も熱かった。・・し、暑かっただろうなぁ。
そこしかできないライブってある。
まさに、和歌山のライブは、それだった。

そして三重。
客席にはいろんな場所から集まってくれた人達の姿があって、
なんだか家族にあったような気持ちだった。
嬉しかった。
旅の最終日だったからだろうか。
僕は元気です。そして、こうして歌を歌っています。
ほら、叫んだり、日常をにらんだり、笑ったり、時にこみあげた涙に濡れたりしながら、
僕は、こうして歌を歌ってきて、そして今日も歌っています。
きみの前で。きみの心とつながりたくて。きみに心を届けたくて。
客席がずっと滲んで見えた夜だった。
幸せだった。

そのまま車を走らせて、朝からスタジオでツアー最終日の東京バンドライブのためのリハーサル。
ひさびさに逢うメンバーとの会話と、奏で合う音が楽しくて仕方なかった。
鏡に映る自分は、目の下が黒かったりして苦笑したけれど、
音楽の中に生きてる、生きられてる今、この2013年ってすげぇと思った。
それも、この手で切り開き、歩み、立っているここ。
一個も無駄にはしたくない。そう思った。
リハーサルが終わり、レコーディングにも行った。
その場所で吸う空気もいつもよりも新しい色、新しい味に感じて、自然と胸が膨らんだ。
旅から帰ってきたオレ、やったるぜ、やったるぜ・・そんなふうに。

喜の巻ツアー最終ゴールを飾る渋谷ライブ1日目、弾き語りライブ。
ライブツアーの旅の中で感じた、「今歌えてること」に想いを馳せながら、
歌いたい曲たちを歌った。
20周年記念弾き語りツアー。
20年歌ってきたこと。歌えてきたこと。
あの時オレの歌に出逢ってくれた人達。
その時オレの歌を見つけてくれた人達。
あれからオレの歌を聴きにきてくれる人達。
そして今、この2013年の夏、この場所で一緒に生きてくれる人達。
「愛に逢いたかったね・・」・・て、渋谷の空を見ながら口ずさんでいた20年前の自分が、
今ここで、「愛に逢いたかったよ・・」って歌えてること。
一言では語れない想いを、歌にこめて歌った。
ずっと歌ってたいなぁ。こうして。・・なんて。

喜の巻ツアー最終日。下北沢、バンドライブ。
弾けた。
祭り気分だった。
初めてギターを持って歌った頃の気持ちのように。
ダイブ。飛翔。ダンス。こぶし。
「いつからこんなことやってんだっけ?おれ?」
「ずっとやってんだよ、オレ」
「いつまでやんだろ、おれ?」
「ずっと一生やってくんだよ、オレ」
最高な奴らの前で、溢れる鼓動ぶちまけて、燃やして燃えて。
楽しかった。
なんて素晴らしき日々だなぁ・・って、かみしめ、かみしめ、かみしめ。


スケジュールノートを見ながら、
いっぱいを想い、
また、めくる。
次は9月。
日本列島、北へ北への、
笑の巻ツアーライブハウスの場所と移動の矢印でいっぱいのその部分。
また、いろんなことがあるんだろうな。
未知な道。
さっき行程表を作っててさ、
今回はやばい。
自分がデビューしてから、北の街でたくさんを歌ってこなかったからさ、
その動員のなさに現実を知る。
そして、あらためて思う。
歌いにいきたい・・と。
だから、
野宿もありあり。
・・っても、車で寝れるだろーし、なんとかなるさ。
オレには歌いたい歌があって、きみに届けたい歌があるから。

そして、
独りではないから。
そう、思うから。
笑ってた人達の顔。泣いていた人達の顔。歌っていた人達の顔。
ツアーのためにたくさんの手助けをしくれていた人達の姿。
たくさんの手紙。たくさんのツィート。たくさんの言葉。

歌いにいかないと。
想いがあるなら。
いかないと。


あ、

あ、

ありゃ、

気づけば、
どんだけ文字を書いたろう。
ま、いっか。
久しぶりだし。
このブログ、携帯で読むのは大変だろーなぁ(笑)。

さて、今日は今日でまた、今日が始まる。
12時から車検だわ、今日は。
また新しい旅に向けてね。
行ってこよう。



| 10:31 | CATEGORIES:熱き日々 |
CALENDAR
Su Mo Tu We Th Fr Sa
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     
<<前月 2019/04 次月>>
ARCHIVES
NEW ENTRIES
CATEGORIES
SEARCH
POWERED BY
ぶろぐん
----------