2019-10-16 Wed

甲府ライブからの夜、スタッフを現地に置いて、ツアーから帰ってきた。
通常使う高速道路は土砂災害で通行止め。
街灯のない山間の道、迂回を繰り返して走った。
迂回から新たに乗った高速道路の路肩には、
たくさんの大型トラックがハザードを点けて停車していた。
普通では見かけたことのない風景。
休憩で立ち寄ったサービスエリアの入り口や出口の路肩にも、
トラックがたくさん停まっていた。

高速道路の照明灯が流星のように流れる夜道を走りながら、
旅を思い返し、自分の心にいろんなことを問うていた。
「自分の選択。それは、正しかったのか。間違っていたのか。」
いつもの歌旅よりも、そんなことを考えていた。
よぎったのは、ライブに来てくれた人たちの姿や、顔。
涙を流して精一杯の想いを伝えてくれた人の言葉が、
そっとこの胸に毛布をかけてくれるかのような感じがした。


目覚めて、旅の片付けをして、
そして、また旅の準備。
桃屋の海苔の佃煮と、生卵と、ご飯と、インスタントのお味噌汁の朝ごはん。
旅に出てたから、こんなご飯も久しぶり。
とっても美味しかった。

迷彩のビニールの軍手をして、荷物を黙々と運びながら、
ぼんやりと・・というよりも、
ループして押し寄せる波のように考えていた。
「悩む」って言っても、いろいろな悩み方があるな、と。
前へ進むために、前に進みながら迷う・・悩み方。
止まりながら迷う・・悩み方。
引き返しながら迷う・・悩み方。
自分は、あの日、どうだったかな。。
・・・なんてことを荷物を降ろしながら考えた。

自分のやり方が、万人に理解されるとは思わない。
だからこそ・・かな、
自分で決めたやり方があるなら、それに責任や覚悟があるなら、
そのやり方で生きていくしかない。
覚悟は、心の中で、自分だけがわかっていればいいと思う。
・・そう、
泥だらけの車を雑巾で拭きながら思った。


旅中、
松本ライブの朝のホテルで、歌を書いた。
寝不足だったせいか、
歌を書き終えた後、鏡を見ると、目が充血していた。
そして、
甲府の楽屋でも、歌を書いた。
ソファーしかなかった楽屋だったから、
床にあぐらをかいて、ソファーに歌詞ノートを広げて、言葉を書いた。
開演時間ぎりぎりまで、書き、
そして、それをライブの最後に歌った。


毎日の中で、
やろうとしていても、できないことがいっぱい。
それでも、
自分にできること、ひとつでも、
なにかを残して、刻んでいけたらなと、強く、思う。

現在をひとつひとつ、決めたことをひとつひとつ成し遂げながら生きること、
それだけで、いっぱいいっぱいだけれど、
それでも、それでも、
胸から零れ落ちそうな願いがあるなら、
それをも叶えながら、生きていかなければと思う。


今日は、バンドメンバーとリハーサルだった。
久しぶりに、音楽の仲間と話した気がして、とても楽しかった。
リハーサル終わりで飲みに行ったりする時間もなかったけれど、
スタジオ練習の間だけでも、ワイワイと、
それが、本当に楽しかった。
書いたばかりの歌たちも、メンバーにお願いして、やってみた。
譜面もなく、なぐり書きの歌詞だけを渡して、やってもらった。
ありがたかった。
来週の2マンライブのステージで、思いきり歌いたいと思う。

まだまだやり残したことがあるけれど、
今日はこのへんでふたをして・・と、
シラスと、キムチと、
ブロッコリーと鶏胸肉を炒めたものを食べた。

また、明日、
がんばろう。



| 22:36 | CATEGORIES:ステージへの道 |
2019-09-30 Mon

『歌えば尊し』の秋編が、京都から始まった。

昨夜は、東京渋谷編。

「夏、終わっちゃったから」
「けど、夏に刻んだ足跡、やっぱ、大事だから」
「もう、当分、夏に刻んだ、この歌、歌えないから」

・・・なんつって、夏に、◯も点も、適当に、
徒然なるままに書いた歌、歌った。

2019年の夏のオレ・・ってことで。
ラーメン屋のカウンターで溢れた歌、
ここに、残しておこね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『高校球児』

ラーメン屋のカウンターで、冷やし中華 
「夏はやっぱ、これだよな!」って、すすってましたら
店の奥の方で、おっちゃん達の拍手と歓声 
TV画面には、泥だらけの高校球児

あらあら、今日は甲子園、決勝戦でしたか!・・って、
9回ツーアウト満塁、一番やばい場面じゃないですか!
1打出れば同点、いやいや、さもなくば、劇的サヨナラ、
逆転勝利で、優勝ってとこですか!

ピッチャー投げた!バッター打った!
「カーン」と鳴り響く金属バットの音 高く、高く、
白球、空へ消えた、ホームランか!?
いやいや、緑の芝生へ落ちた!外野の間を抜けてゆく!選手!全力疾走!

走る、走る、走る、走る、
息を切らし、汗を飛ばし、腕を振って、全力!

駆ける、駆ける、駆ける、駆ける、
ギラギラな太陽、風になびく背番号!

叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、
大声で、涙ぐんで、アルプススタンド

行け、行け、行け、行け、
砂埃、舞い上がる、飛び込んだ、ヘッドスライディング・・・
見とれちまったじゃねぇか。


ラーメン屋のカウンターで高校球児に見とれていたら、
麺が、箸から、つるっと落ちて、ぼとり、白いパンツに染み。
「あー、ふざけんなよ」ってその染みを見ていたら、
なんだか、高校球児と真逆の自分に、ハッと気づいてしまった

大反省会だよ、しみったれんだよ 
だいたい、なんでもかんでも、中途半端に、毎日、オレやってんじゃねーのか?
「全力でやってる、しっかりやってる」って口では言ってるけど、
何パーセントか、余力、残してんじゃねぇのか? ひとり、反省会だよ

TV画面は、延長戦に突入ー!ピッチャー投げた!あー、打たれた!
ひざまづいた!今度こそ終わりか!いや、立ち上がった!!
「なぁ、こんなふうに一心不乱に生きてるか?オレ?」。。自分に問いかけてみたくなったよ

走れるか、走れるか、走れるか、走ってんのか?
息を切らし、汗を飛ばし、腕を振って、全力!

駆けれるか!駆けれるか!賭けれるか!本気で賭けてんのか? 
これからの自分に、今からの自分に、

叫べるか!叫べるか!叫べるか!叫べるほど、やってんのか!?
大声で、涙ぐんで、喜びや、悲しみを、

生きれるか、生きれるか、生きれるか、生きてんのか?
砂埃、舞い上がる、飛び込んだ、その先に・・
キラキラな世界があるんだろうなぁ


大人とか、子供とか、青春とか、成熟とか、
若いとか、歳とったとか、もうそんな時代じゃないとか
・・ホントは、そんなの、関係ねぇんだよな

表彰台には、思いっきり泣いた跡の涙のスジを頰にくっつけて、
笑い、背筋を伸ばして、整列する、高校球児たち
「忘れてほしくないなぁ・・いや、忘れたくないなぁ」
・・この、すがすがしい姿、美しい立ち姿


走る、走る、走る、走る、
息を切らし、汗を飛ばし、腕を振って、全力!

駆ける、駆ける、駆ける、駆ける、
ギラギラな太陽、風になびく背番号!

叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、
大声で、涙ぐんで、アルプススタンド

行け、行け、行け、行け、
砂埃、舞い上がる、飛び込んだ、ヘッドスライディング
「夏はやっぱ、これだよなぁ」


・・って、はじめに戻るけれど、
夏はやっぱ、これだよな、
ごちそうさまでした。
冷やし中華。



| 22:58 | CATEGORIES:ステージへの道 |
2019-08-25 Sun


ツアー中、
以前、高速道路にて、夜0時頃にて、
自分運転で車が横転。
で、車が全破壊。
そんな全損事故を起こしてから、
ライブ後の夜の運転移動はしないようにしてる。

・・とは言いつつ、しなければならない日もあり。
今日は、ライブ後の街のホテルも取れなかったもんで、
夜高速の移動をしてきた。
暗い曲がり角、山道・・は、なかなか・・だけど、
安全にね。
そう、いたって、普通な感じで。
ライブ後のエキサイトしてる心を、静かに静かになだめながら。


今日は、『歌えば尊し』ツアー、夏編。浜松だった。
なんかよー、
とっても、濃い1日だった。
朝起きてカーテンを開けたら、ふつふつと言葉が溢れて。
それで、新曲を作ろう・・ってなって、
持ち歩いてる小さなギターで、ホテルの部屋でメロディーと言葉を拾い集め、
ぶつくさと歌い、
ノートに言葉を書き留め。
いつのまにか、ライブハウスへの入りの時間。
ライブハウス前に車を停めて、機材搬入して、セッテイングして。
その間も、言葉を探して、まとめて。
なんか、ずっと、浮遊してたんだな、
想いの世界の中を。

日が暮れる前に、ライブが始まって、
みんなと対面して、
わー!!となって、
歌い始めて。
うん、
あっと言う間の1日だったです。


作ることと、伝えること。
考えることと、話したいこと。
それは、
まるで、
すれ違いや、納得や、誤解や、わかりあう瞬間や、
「そうだったのか」なんていう謎が紐解けて、
胸の塊が溶ける時のような時間や、
そんな、
恋人たちが積み重ねていくような、時間の重なり。
うーん。
です。
なんとも言えない、
言い切れない、
うーんな、
時間の階段です。


さてさて、
ライブは、あっちゃこっちゃ。
燃えたなー。
本当に、みんな、ありがとう。

理路整然なんてなものには、程遠い、
喜怒哀楽が、入り混じり、
正しいのか、間違いなのか、
その問いかけの繰り返しかな、あれは。

その中で、
十人十色、
それぞれ、
そう、
それぞれの心を持っている人、みんなが、
何かを感じようとしてくれていた時間。

感じてくれた、
その、
きみに、
感謝がいっぱいです。

ありがとう。
結び合って、感じあってが、
たまらなく、愛しく、
ありがとうです。


・・・さて、
一回、
カームダウンして、


そろそろ寝るわ。


今日は、移動してきての街で、
どこも開いてない街の片隅、
救世主のように手招きしてくれていた灯りのお店、
ひっさびさ、
『魚民』、入ったー。
ありがたや。

スタッフと、
あっちー語らいをしながら、
トマトジュースを飲みすぎて、お腹いっぱい。(笑)。


明日、
いや、明けて、今日の豊田、
初めての街で、
「はじめまして、染谷俊です」の歌を、
たくさん、歌うからよ。
です。

今何時?
そうね、だいたいねー♫

しっかり、パワー復活させて、
カムバックヒーロー。
やったるぜ。


| 02:22 | CATEGORIES:ステージへの道 |
2019-06-24 Mon


歌っていて、
心の芯の深い深いほうから感情が湧き上がって、
それがとんでもないぐらいな速さで身体中を巡って、
なんかどっかで見た・・超人ハルクだっけか、
そんな劇画漫画のやつみたいに、体から何かがブワっと、
いっせいに飛び出ていくような、
そんな感覚になる時が、あり。

今日は、そんな感じの瞬間が、たくさんあった。

面白い。本当に、楽しい。
そんな1日だった。

「あれ、オレ、こんなに、こんな奴だったっけ・・」
って、不純物のない自分を見つけたりして、
それもそれで、とても楽しかった。

水たまりに映った空を見つけて、
一人でなんかときめいてた、遠いあの頃の・・自分に逢えたような、
気持ち。

そして、今は、
一日中飛び回って遊び疲れてた子供時代のように、
体の中が空っぽ、だ。
こういうの、
なんか、嬉しい。


ありがとう。
おやすみ。

| 00:54 | CATEGORIES:ステージへの道 |
2019-04-18 Thu


リハーサルスタジオの片隅、
スピーカーの前、
“マスタードあり”のシールが貼られたカツサンドを、
「ガムっ」と躊躇なく、かじると、
懐かしい懐かしい味がした。


リハーサルの”ケータリング”って呼ばれる軽食は、
近くのスーパーで、オレが買うんだ。
「キム兄、なに好きだったかなぁ・・スティングさん、最近なに食ってんかなぁ」
・・なんて、ひとり、あーだーこーだ、巡らせながら・・。


             ☆


小学校2年生までかな、水泳を習ってた。
東京下町、
京成電鉄、
小岩駅で降りて、そこから線路沿いの道を、
弟とテクテク歩いて、
週に一回だったかな、
そこに通ってた。

帰り道はさ、よく、
仲間たちとぞろぞろ歩いて、小岩駅に着く前の小さなパン屋さんで、
「なんか、食おっかー」なんつって・・
寄り道して。

そこで、オレは、パックに入ったカツサンドをよく買って、食った。
オレら同級チームの列の後ろに、いそいそと付いてきた弟に、
「おまえも食うかぁ~」なんつってさ、
そのカツサンドの、ひと切れを渡したりなんかして・・。


今日食べたカツサンドは、
本当に、
その頃の、懐かしい、懐かしい、味がした。


バンドメンバー。
キム兄が、じゃがじゃーん・・・なんて音を出し、
スティングさんが、ブベベン、ブベベン・・・なんて音を出し、
サジちゃんが、すぱんすぱんとスネアを叩き、
ワタルが、キャリンキャリンと音を出す。

準備を終えて、一息ついたオレが、丸椅子にダラっと腰掛けて、
カツサンドかじって、
それらを眺めながら、
なんだかさ、
本当に、
懐かしい味がした。


弟の名前は、
アツシって名前で、
オレが小学生1年生まで、生きてた。
病気で死んじゃったけど。

その、
アツシが、さ、

「お兄ちゃん、これ、おいしいねー」
なんつって笑って、
オレを見上げてた、

その頃の風景に、

今日は、時間、
しゅるしゅるしゅる・・と巻き返されて・・。。

とても、
懐かしい味がした、カツサンドだった。


「リハーサル。みんな、さ、最高だった。

一生懸命な、子供みたい・・一生懸命。

・・なっ・・だろ。

お兄ちゃん、わりと、

がんばってるぜ。」


| 22:30 | CATEGORIES:ステージへの道 |
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