2018-02-02 Fri



キミはいつも何気なく近づいてきて、
「元気でしたー?また、そんなヤンキーみたいな格好してー」と
握手の手を伸ばしにきてくれた。

人見知りが癖でスタジオの隅のほうで言葉数が少なくなっているこんなオレにいつも気を使ってくれて、
しょっちゅうギャグなんかもかましてくれてたね。
そんな、ちゃらいフリをしておどけてたキミも好きだったけど、
楽器を持った時の、口をぐっと閉じてる寡黙な顔のキミも好きだった。

ソリッドで、けれど、繊細で、
潔く弦をはじいて奏でられるその音は、本当に混じり気ひとつない、
一音一音がはっきりと聴こえる、キミにしか奏でることのできない音だった。
いつもうらやましく、時に嫉妬するほど、格好良かった。
「やっぱ、すげーね」なんて言うと、
「なに言ってんすかぁ」と、頭を掻いて照れてたっけ。

決して自分のプレイに対しての姿勢を曲げない、
そんなキミのプライドも尊敬してた。
リハーサルのステージの上で、何回か言い合ったりもしたっけ。
アンプの横で、キミの譲れないこだわりから来る言葉もいくつか聞いた。
「やっぱ、すげーな」と、何度も思った。
その姿勢が、あのすげープレイを生まれさせてるんだな・・って、何度も思った。

酒も、よく一緒に呑んだなぁ。
いくつか、最近もね、思い出してたキミとの呑みのシーンがあるよ。
徳山の屋台だったかな、寒い日だった。
ビニールで囲まれた屋台の中で、キミの愚痴を聞いたっけ。
函館の居酒屋の2階では、お店の人相手に喧嘩をふっかけるキミを笑った夜。
熊本では明け方まで呑んで、朝方の駐車場のカラーコーンを蹴飛ばしてたオレを逆にキミが大笑いしてたっけ。

いっぱい笑った。いっぱいふざけた。いっぱい怒った。
いっぱい励ましあったりもした。いっぱい語った。
そして思い返せば、いっぱいいっぱい奏で合った。


いろんなことを思い出して、
最後にふっと蘇るのは、
初めてキミと一緒にツアーを出るためのリハーサルが終わったあの夜のこと。
がんばりましょう的な乾杯して、呑んで、酔っぱらって、
その最後かな。
「・・なんかこんなことになった感じになって・・こんな僕ですけど、
ぜひぜひ、よろしくお願いしますー」ってちょっと赤らんだ顔をして、
思いきり頭を下げてたキミのこと。
あの時から、キミはキミで、
変わらないキミで、
今でも、頭を掻きながら、ひょこっと現れそうな気がするよ。

・・だから、
そう、
なんだかずっと、
今までみたいに、
「元気にしてるかなぁ」なんて時々思い出して、
また聴きたいな、キミのギターを、
またセッションしてーな・・なんてことを思ったりして、
焼酎を見れば、「たまには、また一緒に悪ふざけして呑みてぇな」なんて思ったりして、

・・そうやってこれからもオレは過ごしていくような気がします。


昨夜、あの頃キミとともに音を奏でてた先輩と呑んだよ。
「しみったれて呑んでたら、”何やってんすかー”って怒られるよな」なんて話しながら、
ワイワイとキミの話しをして呑んだんだ。


縁をいただいて、

キミとともに、いろんな日々を生きれたこと、
ほんとに、感謝してます。

はちゃめちゃ、楽しかったぜ。
はちゃめちゃ、おもろかったぜ。


ありがとう。

本当に、ありがとう。





| 19:37 | CATEGORIES:愛すべき人々(I LOVE・・) |
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