2012-06-19 Tue
青森から東京へ。
僕らを乗せたツアー車は、林の間を抜けていくような道を駆け抜けている。
さっきから、僕の右の横顔を追いかけるように、
空にはギラギラと太陽が瞬いている。
荷物いっぱいのシートにうずまって、
「あ、あ、」と声を出してみる。
少し枯れてるかぁ・・と思いながら、こして喉の調子や、肩のはりなどを
ただただ気にしていた、そんな日々はもう終わるんだなぁ・・と笑った。
ただただ、ステージだけに向き合った、そんな一ヶ月。
2012年、21の夜を歌った、ピアノモンキー弾き語りツアーは、
昨日、青森でのライブで幕を閉じた。


ステージ始まりの時から、たくさんの人達が僕の名前を叫んでいた。
たくさんの拍手でステージに迎えられた。
僕の気持ちも、最高潮の場所から、始まった。
生きた。
生ききった。
楽しくて、楽しくて、自然に笑顔になった。
そして、ふと、ツアーを振り返ると、
たくさんのみんなの笑顔や言葉を思い出して、
・・自然に涙が出た。
その涙が、歌になって、僕の中から溢れた。
みんながキラキラしていた。
みんなが肩を組んで、笑ったり、泣いたりしていた。
最高だなぁ・・と、歌った。
ただただ、歌った。
チカラいっぱいに歌った。
命を燃やして、歌った。
「きみと歌ったロックンロール。
いつの日にもロックンロール。
忘れないよ、ロックンロール。」
ありがとう。
本当に、ありがとう。
みんなと生きれて、本当に幸せだった。
何度も、そう思ったよ。
本当に、ありがとう!!


いつものようにサイン会もあった。
たくさんの握手。
サイン会が終わって楽屋に戻ると、立っているのもやっとで、
壁にもたれて笑った。
髪の毛とかクシャクシャだわ~と思いながら、
来てくれたオーディエンスの皆さんが待つ、
ツアー打ち上げ会場へ。
みんなの笑顔がいっぱいで、
また、たくさん、たくさん笑った。
テンションだけはなんでこんなに高いの?!と自分で自分を思いながら(笑)、
連ちゃんビールイッキ(笑)!
みんなと一緒にツアーの時に撮影していた写真をスクリーンで見ながら、
なんだか、本当に、「一日たりとも同じ日がなかった」日々だったなぁ・・と、
あらためて、こみあげるものがあった。
生きていたなぁ・・そこに映った僕を見て、そう思った。
みんなと想いを分かち合うように、抱き合い、握手をした。


宴も終わって、外へ出る。
音の消えた、静かな静かな闇の世界。
気持ちのいい風が吹いていた。
そして、今回も、青森でのライブを盛り上げるためにチカラを尽くしてくださった、
青森放送の方々が待つお店へ。
思えば、札幌ライブ後、8時間弱フェリーに揺られ、そこから2時間ほど車を飛ばし、
そのまま青森放送に入って、テレビに出演して、生で歌を歌った。
大きな経験だった。
そして、FM青森にも出演させてもらって、歌を聴いてもらった。
次の日には、再び青森放送にて、ラジオ生出演もさせてもらった。
ラストスパートで駆け抜けたような日々だった。
お店に着くと、青森放送の方々が、大きな拍手をくれた。
本当に嬉しかった。
そして、染谷俊のライブに集まったオーディエンスの人達の姿に、
皆、口をそろえて驚きを話し、多くを感動して、
多くの言葉をくれた。
その言葉たちも、本当に嬉しかった。
みんなが生ききる姿と、みんなと生ききった「その時」が、ここでも蘇った。


たくさんの乾杯をして、また会う約束をして、
青森テレビやラジオのスタッフの方々と別れた夜道。
このツアーでずっと僕を支えてくれた佐藤ワタルと、PAイトウ君と三人、
前から示し合わせていたかのように、コンビニへと歩いていた。
夜空の下、
缶ビールを買ってきて、
地べたに座って、呑んだ。
最後の乾杯だね~とか言って、ずっと笑ってた。
ふと、さっきまでのライブことが、たくさんよぎったけれど、
なぜか、それらは、もうずいぶんと昔のことのように感じた。
そして、駆け抜けたツアーの日々のことも、
なぜか本当に昔のことのように感じた。
毎日が、完全燃焼のような日々だったからなのかなぁ・・とふと思った。
毎日、
何のカケラも僕の中に残っていないような、
そんな真っ白に燃え尽きるような日だった。
前の日のカケラはいつもなく、
毎日が新しい日の始まりだった。
一瞬を。
今、一瞬を。
振り返った時には、手を振って笑って次へと向かう、僕の背中だけがあった。
「一瞬を。この一瞬を。」
いくつかの痛みや、いくつかの障害を抱えるようなそんな日も、
そうして、生きた日々だった。
今日という日は、今日しかないよ。
今日の出逢いは、今日しかないよ。
今日歌える歌は、今日しか歌えないんだよ。
・・・そう、
生きた日々だった。


出逢い、別れ、出逢い、別れ・・
多くの学びが残って、
多くの足跡が残って、
多くの宝物が残った。
いつか、この日々を振り返って、
懐かしいなぁ・・とか思うんだろうな。
けど、
今は、そんな気持ちは、ないんだ。
終わったという気持ちよりも、
その時々で出逢えたみんなの想いや、みんなと作った足跡と宝物を抱いて、
次また逢える日まで、一生懸命走っていこう・・
そんな想いでいっぱいだ。


ずいぶんと、この車の中でも、もがいてたなぁ・・ケツ痛いとか、背中痛いとか言って・・
・・と、ふと笑う。
そう・・
ブツクサいったり、溜め息ついたり、1人鼓舞したり、ふと考え事をしたり、
想い出に浸ったり、自分で自分を励ましたり・・
そんなふうに、
なんやかんやと感情の波に揺られながらも、
こうして目の前に続いていく道を前へ前へと進んでいる今のように、
また逢える日まで、
また約束の日まで、
僕の旅は続いていく。
みんなへと続いていく旅・・。


ありがとう。

言葉が途切れないから、
今は・・

ありがとう。
そして、また逢おうね。

そう伝えて、
また、新しい日々へと、
僕は向かうね。




| 03:21 | CATEGORIES:ステージへの道 |
CALENDAR
Su Mo Tu We Th Fr Sa
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       
<<前月 2024/03 次月>>
ARCHIVES
NEW ENTRIES
CATEGORIES
SEARCH
POWERED BY
ぶろぐん
----------