2012-07-02 Mon
寝ている間にも、頭の中でメロディーが巡回している。
サビのメロディーの最後のコードは、Aだったっけ、
それとも、Fシャープマイナーだっけ・・
そんなことばかり気になって、
寝ているのか、寝ていないのか、
うまく眠れない。
よくあることだ。
携帯をつかんで時計を見たら、4時だった。
少しだけ開けた窓からは、夢の中でも聞こえていた、雨音が聞こえる。
もう一度目をつぶって、暗譜した曲たちの中で曖昧な部分について
また考える。
そのうちに、もっと自分にやれるべきことがプクリプクリと気泡のように
頭の中で上昇してきて、もう眠れないな・・と起きた。

コーヒーを飲んだ。
開いてなかったほうの窓も開けてみる。
どこかの軒下に身をひそめているのだろうか、鳩が鳴く声がする。
濡れたアスファルトをこすって去っていく車の音もする。

とても静かな朝だ。
こんな朝には、頭の中にある五線紙に、ゆっくりとメロディーを書こう。
一粒一粒、大切に、
決して忘れないように、書こう。
その五線紙に音符が舞い降りる時に聴こえる、
その曲にこめられた想いとともに、
記そう。


思い立ったように爪を切り始めた音が、
パチン、パチンと、部屋に響いている。
中指と人差し指の先の部分のタコのように固くなった部分を切ると、
そこには月面のクレーターのような穴があいた。
やすりの部分で、しゅっ、しゅっ・・と、指先と爪の先を研いだ。
鍵盤を弾くために、子供の頃からしてること。
おかげで、僕の指先は、とうてい美しいとは言えない、深爪だ。


時計は5時の顔になった。
「さて..」と、またコーヒーを飲んだ。
昨日買った、ミスタードーナツのエンゼルクリームをかじった。

ピアノのところへ行こう。
僕の今日が、そこで待っている。




| 05:19 | CATEGORIES:自画像 |
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