2016-06-13 Mon
車窓の向こうには、田園風景が広がる。
水田。あぜ道。水路。小さな森。
ぽつりぽつりと建つ民家。

その風景を見つめていると、懐かしさを覚えたりする。

父親の実家が茨城の小さな村にあって、
そこで祖母がいくつもの水田を営んでいた。
幼児期、小学2年生の頃かな、
夏休みになるとそこに行って、親戚の姉ちゃんたちと遊んでいた。
カエル獲り、ザリガニ獲り、セミ獲り。
なぜ、あんなにまでそういうことに夢中になっていたのかわからないけれど、
日が暮れるまで、「なんか、とりいこーぜ」と遊んでいた。

遠いと遠いところから、こうしてやってくる懐かしい記憶。

懐かしさとは、寂しさにも似ている。
いや、似ているというか、懐かしさには寂しさが同居しているんだよな。

広がる風景の向こう、
もう呼んでも振り向いてはくれない、
あの頃の自分や姉ちゃんたちがワーワーとセミを追いかけ走っているようで、
気がつくとぼんやりと目を細めてる自分がいる。


ガタゴトガタゴト。
線路の上。

あの頃の自分には、まるで想像もできなかった、
想像さえもしていなかった日々の場所へ、
今日もガタゴトと揺られ、生きている。


オレは今、何を獲りに走っているだろう。

そんなことを考えながら、
旅は続く。




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