2009-07-06 Mon
ある朝目覚めると、TVの画面が騒いでいた。
「台風上陸しました!充分な警戒を持って○×・・!!」
子供ながらに、「やべーことになるんだなぁ」と、
寝ぼけ眼で母親が焼いてくれた食パンをかじりながらTVを観ていた。
「風がすげーって言ってるけど、木とかも倒しちゃったりするのかなぁ」と、
自分が通う小学校の門の前の立っているポプラの木々を浮べてたりしてた。
自分の家から小学校までの距離、公園をまたいで、徒歩約10分。
外に出たら、台風の影響か、すさまじい雨と風。まさに嵐。
10分もいかない合間に、傘は仏教界の象形物のアイドルグループ
"雷神"&"風神"の髪の毛のように逆立しまくる始末。
「なんかオレ、神々と戦ってるぞ」とやけに高揚しながら、
なんとかかんとか小学校まで辿り着くと、
10歳ほどの僕の脳ミソの中のイメージのミゾに浮かんだ映像のまんま、
大きなポプラの木がガードレールに向かって、「やられました!」って
感じで倒れてた。
その風景が衝撃的で、恐怖というか、逆に畏怖を越えた尊敬の念まで
持っちゃったりなんかして、「台風ってすげーんだ」と風船のごとく
パンパンに膨らんだあの気持ちを今も覚えている。

あれから何年すか・・何十年ですか・・。
ある日突然の「僕ら、ずっと火星から地球人のこと見てましたから」と
のたまう宇宙人の降臨のように、ふと、あの日の風景が脳裏に降りて来た今、
僕は、誤解を恐れず言えば、
あの時の、台風の真ん中にいた、暴風雨を起こした・・
いや、暴風雨という名の"反乱と希望に満ちた無知の餓鬼"のように、
この夏暴れたいのだということを、確信した。
くんだらねー告知とか、くんだらねーアジテーションとか、
くんだらねーデコレーションとかを繰り返すアーティストとか言ってる人々を横目に、
あの日ポプラを有無も言わさず鮮やかになぎ倒し去っていったアイツに、
憧れる今日の自分がいる。

はりけーん!

いつか憧れた、
マントをなびかせ街を駆け回る中原中也の姿のように、
今日はステージで舞いたいな。

眠れない僕は、
眠らない情熱を抱えて、
今日もひとり、真夜中の片隅で、企みだけを繰り返す。


| 03:24 | CATEGORIES:星降るテーゼ |
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