枕元の横の窓から、ふっと気持ちのいい風が吹いて、
顔を撫でられた。
目を開くと、カーテン越しの空は、少し晴れ。
風の温度で、夏が少しずつ遠ざかっていくのを感じて目を覚ます。
少しの間、見ていた夢のことを思い返したりして、だらだらと過ごした。
毎日が次から次へのことで、いろいろを考えたり、いろいろを動き続けたり。
「自分は、何者なんだろう」なんてことを、
ふと、こんな瞬間に、考える。
たくさんの街で、たくさんの人たちに届くよう、
たくさんの歌を作り、残し、たくさんの歌を歌いたい。
ただ、それだけをなくしたくない、自分は、その者だ。
そこに向かって、日々を生きていたい。
パンデミックの時代だと、テレビは言う。
自分自身も、それを自覚している。
それぞれの生活の中で、
そのパンデミックと向き合いながら、
人々は、みんなは、我慢したり、悩んだり、振り切ったり、進んだり、
止まったり、歩こうとしたりしているんだろうなぁと、
何度も思う。
届かないことにせつなくなったり、
手放したことに自分を責めたり、
歩み出したことの責任を問いたり背負ったり、
ふと遠くに想いを馳せたり、
きっとそれぞれの心で、
それぞれのギリギリの決断みたいなものがあるんじゃないかな。
そう、思う。
思考が膨れて、少し違う方向にいったけれど、
僕は、やっぱり、
先に綴ったように、
たくさんの街で、たくさんの人たちへ、
たくさんの歌を歌いたい、そんな者だ。
だから、
こんな季節の変わり目、
ふと、
あぁ、今も待っているんだ、
待っているよ。
取り戻すことを、新しく進んでいくことを、
自分の歌やライブに来てくれるみんなとともに。
そこできっと逢えるだろうみんなとともに生きれることを、
待っている。探している。手や指先を伸ばしている。
声を、いつかの声を、
これからの声を、感じながら。
シャワーをゆっくり浴びた。
浴びながら、
またまた、小さな想いが、ぷくり、ぷくり。
1日ひと言葉ずつでも、
ピアノを奏でながら、歌を歌おう。
・・と。
1日でも刀を振らなかったら、
サムライの腕は落ちるんだろうなぁ・・と。
唐突に考えた。
一週間、二週間、1ヶ月、
ましてや、2年も3年も刀を振らなかったら、
もはや、剣を振るサムライではなくなってしまうだろうなぁ。
剣を振るだけが、サムライではないけれど。
まぁ、唐突な思考から、
自分自身に問いかけた時、
歌を歌い続けようと思ったのだった。
1日ひと言葉でも、ひとフレーズでも。
ピアノを奏でて歌う自分にとっては、
ピアノを奏でる、その指、その体の鍛錬を、も、
ひとつ、ひとフレーズでも。
こんな思いがよぎってしまったのは、
昨夜観た、映画のせいかもしれない。。けれど。
とつとつと、
言葉を探しながら、
今日は生き始めて、
これから、
言葉ではなくて、
自分の進めるものに向かって、
生きてみる。
やることは、やまほどあるよなー、
歌う旅に向かって。