泡立ち

秋口ぐらいから、
近所では、ずっとビルの解体工事をしている。
朝8時半ぐらいに始まって、夕方5時ぐらいまで。
昼時ぐらいに近くを通ると、
トラックの中でおじさんやお兄さんたちが昼寝をしてたりする。
毎日毎日、ほんと、すごいなぁと思う。
雨の日も、風の日も。

そして、工事が始まって、何ヶ月。
また今日も、工事の音が聞こえる。
季節は少しずつ変わり、時も過ぎていったけれど、
変わらずに、いまだ続いていることがあるんだなと思ったりする。

自分は、この部屋の中で、
この工事の音を、どれだけ聞いただろう。
進歩したこと、変化したことはあったのかな・・・
なんて、少しぼんやり。
あのトラックの中で昼寝をしていたおじさんやお兄さんたちは、
少なくとも、ビルを崩し、
そこに新しいものを建てるために、
途方もなく思える作業を黙々とやり続けてきた。
・・なんて、
また、ぼんやりと、
ブクブクと自分自身に向かって泡立つ想いを感じたりする。

今日は、お昼からリハーサル。
公園からは、小さな子供達の声が聞こえる。
空は晴れている。

スタジオで音を出し、歌を歌い、
譜面を書いて、打ち合わせをして。
スタジオリハーサルが終わったら、
別の打ち合わせをして、決めることを決めて。
それが終わったら、
ハイボールでも飲んで、
とにかく、明るく生きるんだ。

そう、
今日をしっかり生きようと、今、思う。

シャワーを浴びて、出かけよう。
鏡で、自分に向かって話しかけてから出かけよう。

今日のバッグには、たくさんが入っていて、
ずいぶんと重いけど。